「UIデザイナーとUXデザイナーって何が違うの?」
「興味はあるけど、未経験からでもなれるの?」
そんな疑問を持っている方へ向けて、この記事ではUIデザイナーとUXデザイナーの仕事内容や違い、必要なスキル、年収、さらには未経験からどう目指せるかまでをわかりやすく解説します。
デザインに興味があるけど不安で踏み出せない…そんな方でも安心して読める内容です。
この記事を読めば、「何から始めればいいか」がはっきりわかりますよ!
UIデザイナーとUXデザイナーの役割と違い
UIデザイナーの主な仕事内容
UIデザイナーは、Webサイトやアプリなどの「画面デザイン」を担当する仕事です。
ユーザーが直接目にするボタンの形、色、配置、文字の読みやすさなどを考えて、使いやすい見た目を作ります。
たとえば、ログイン画面の入力欄やボタンの位置がバラバラだと使いづらくなりますよね?
そんな「わかりやすさ」や「気持ちよさ」を作り出すのがUIデザイナーの仕事です。
使用するツールにはFigmaやAdobe XD、Photoshopなどがあり、これらを使って画面をデザインします。
ただ絵を描くだけでなく、エンジニアやマーケターと一緒に仕事を進めていくので、チームでのやりとりもとても大切です。
UXデザイナーの主な仕事内容
UXデザイナーの仕事は、ユーザーがサービスを使って感じる「体験」をデザインすることです。
例えば、ネットショッピングで「探していた商品がすぐに見つかる」「購入が簡単でストレスがない」といった体験ができるように、流れや仕組みを考えるのが役割です。
ユーザーインタビューをしたり、アンケートやデータを分析したりして、「なぜ離脱してしまうのか」「何が不便なのか」を見つけます。
そして、その結果をもとに、ユーザーにとって一番使いやすい構成を考えるのです。
UXデザイナーは、心理学やマーケティングの知識も活かせる仕事で「人の気持ちを考える力」が大きな武器になります。
UIデザイナーとUXデザイナーの違い
UIデザイナーとUXデザイナーは、よく一緒にされがちですが、実は役割が違います。
UIは「見た目や操作感」、UXは「使ったときの満足度や全体の体験」です。
例えるなら、UIはお店の内装や看板、UXはお店に入ってからの接客や商品の探しやすさ、買い物のしやすさのようなものです。
どちらも大切で、どちらか一方だけでは良いサービスは作れません。
Webデザイナーとの違い
Webデザイナーは、UIやUXの要素も一部担いながら、HTMLやCSSを使って実際にWebページを作る人のことです。
UI/UXデザイナーが設計したものを、Web上で形にする役割もあります。
つまり、Webデザイナーは「デザインと実装の橋渡し役」。
小規模なプロジェクトでは、UI/UXデザイナーとWebデザイナーを兼任することもあります。
それぞれの職種が連携する重要性
良いサービスを作るには、UI、UX、Webすべての視点が必要です。
UXデザイナーが設計した体験を、UIデザイナーが見た目に落とし込み、WebデザイナーがWebページとして形にする。
誰かひとりが欠けても、ユーザーにとってわかりやすく快適なサービスにはなりません。
そのため、日ごろから情報共有や意見交換がとても大切です。
お互いの仕事を理解し合うことが、スムーズな開発につながります。
UIデザイナー・UXデザイナーに必要なスキル
コミュニケーションスキル
UI・UXデザイナーにとって、デザインのスキルだけでは不十分です。
プロジェクトを成功させるには、エンジニアやディレクター、クライアントと円滑にやり取りするためのコミュニケーションスキルが不可欠です。
ユーザーのニーズを正確に把握するためには、相手の話を丁寧に聞き、要点を整理して伝える力が求められます。
たとえば、UXデザイナーがインタビューを通して得たユーザーの課題を、UIデザイナーや開発チームに的確に伝える場面では、相手に分かりやすく伝える工夫が必要です。
また、提案したデザインの意図を伝える場面でも、論理的かつ簡潔に話す能力が問われます。
さらに、チームでの開発が基本となるため、メンバー間でのすれ違いやミスを防ぐためにも、情報共有やフィードバックのやり取りをスムーズに行える力が大切です。
特にリモートワークの増加に伴い、チャットやオンライン会議などの非対面でのやり取りでも、しっかり意志を伝えるスキルが求められるようになっています。
プレゼンテーションスキル
自分が手がけたデザインの意図や背景を、クライアントや上司に分かりやすく伝える能力も非常に重要です。
良いデザインを作るだけではなく、その価値や目的を理解してもらえなければ、プロジェクトは前に進みません。
プレゼンでは、専門的な言葉ばかり使うのではなく、相手の立場や知識レベルに合わせた説明が求められます。
特にUXデザイナーは、ユーザーリサーチやペルソナ、カスタマージャーニーマップなどの成果物を使いながら、ユーザー視点に立った提案を行う場面が多く、データやロジックをもとに説得力のある説明をする力が必要です。
スライドや図解を使って視覚的にも分かりやすく伝えると、相手により深く理解してもらえるでしょう。
プレゼンテーションスキルは、経験を積むことで着実に向上するため、日頃から意識して取り組むことが大切です。
デザインに関する知識
UI・UXデザイナーには、見た目の美しさだけでなく「使いやすさ」や「わかりやすさ」に基づいたデザインの知識が求められます。
特に重要なのが、配色や文字サイズ、余白の取り方といった「視覚的な階層」を意識したデザインです。
これにより、ユーザーは自然と重要な情報に目が向くようになります。
また、情報設計(IA)やユーザビリティ、アクセシビリティといった、誰にとっても使いやすい設計を考える力も欠かせません。
FigmaやAdobe XDなどのツールを使いこなす技術だけでなく、デザインの原則や心理学的要素を理解したうえで制作を行うことで、より質の高い成果物が生まれます。
さらに、トレンドの変化が早い業界でもあるため、日々新しいデザインの流れや事例をインプットし、アウトプットに活かしていく姿勢が求められます。
SEOやマーケティングの知識
特にUXデザイナーにとって、SEOやマーケティングの知識は「ビジネス視点での提案力」を高めるために重要です。
単に見た目が良く使いやすいだけでなく「検索されやすく」「売上につながる」設計が求められるからです。
たとえば、ユーザーがどんなキーワードで検索し、どのような導線をたどって購入や問い合わせに至るかを分析し、それに基づいた設計をすることで、より成果の出るデザインを実現できます。
Googleアナリティクスやヒートマップツールを使ってユーザーの行動を分析し、改善施策に活かすのもUXデザイナーの大事な仕事です。
また、広告やSNSとの連携、コンテンツ戦略などとも密接に関わってくるため、マーケティングの基本用語や考え方を理解しておくことで、チームの中でもより頼られる存在になるでしょう。
分析能力
UI・UXデザイナーは、感覚や直感だけでデザインを行うわけではありません。
ユーザーの声や数値データを元に、課題の発見と改善を繰り返していく必要があります。
そのために求められるのが「分析力」です。
例えば、Webサイトの離脱率が高いページを特定し、どこに問題があるのかをヒートマップや行動データから読み解くスキルが重要です。
UXデザイナーであれば、ユーザーインタビューやアンケートから定性的な情報を抽出し、ユーザーの不満や隠れたニーズを見つけ出す力も求められます。
また、分析結果をもとに仮説を立て、UIの改修を行い、その効果を検証するといったPDCAサイクルを自ら回せることが、プロとしての評価を高めます。
ロジカルに考える力と、柔軟にアイデアを形にする力を両立させることが、優秀なデザイナーになるための鍵です。
UIデザイナー・UXデザイナーの年収とキャリアパス
平均年収と給与幅
UI/UXデザイナーの年収は働く地域や企業の規模によって大きく変わります。
たとえば、東京でのUXデザイナーの平均年収は約800万円、全国的には約826万円というデータがあります(出典:ERIERI、Morgan McKinley)。
給与の幅は約570万円〜1,000万円以上までと、スキルや経験によって大きな差があります。
UIデザイナーも同様に、スキルを磨くことで年収アップが期待できます。
実務経験が浅いと年収300万円台からのスタートもありますが、シニアポジションになると800万円以上も可能です。
フリーランスとしての働き方
UI/UXデザイナーはフリーランスとしても活躍できます。
自分のスケジュールで働ける自由さが魅力ですが、自己管理能力や営業力も求められます。
案件によっては1件数万円のデザイン作成から、UX設計やコンサルティング案件で月額50万円以上という高単価の仕事もあります。
特に、実績がありポートフォリオが充実していると、高単価案件を受けやすくなります。
キャリアアップの道筋
キャリアパスには、スキルを磨いて「シニアデザイナー」「リードデザイナー」になる道、チームをまとめる「デザインマネージャー」や「プロダクトマネージャー」への道などがあります。
最近は「CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイナー」など、ユーザー体験をもっと広く捉えた職種も注目されており、自分の得意な領域に合わせてキャリアの幅を広げていけます。
求められるスキルセットの変化
近年では、UIやUXの知識に加えて「データ分析」や「マーケティング」、「AIや音声UI(VUI)」などの技術も注目されています。
企業では、見た目だけでなく、売上やユーザーの満足度にどう貢献するかを重視する傾向が強まっており、デザイナーも「ビジネスの視点」を持つことが重要になっています。
業界別の年収傾向
業界によっても年収は大きく異なります。
以下は目安です。
業界 | 特徴 | 平均年収の目安 |
---|---|---|
IT・ソフトウェア | 技術革新が早く、需要が高い | 500万〜900万円 |
広告・マーケティング | 表現力が重視され、成果報酬型も多い | 450万〜700万円 |
EC・小売 | 売上に直結するUI改善がカギ | 400万〜650万円 |
金融・保険 | セキュリティ・信頼性が重要 | 600万〜1,000万円 |
未経験からUIデザイナー・UXデザイナーを目指す方法
必要な学習内容とツール
まずはデザインの基礎知識を学ぶことが出発点です。
特に「余白の取り方」「色のバランス」「文字の読みやすさ」など、見た目の設計に関する考え方を理解しましょう。
そして、UXの視点では「ユーザー目線で考える」「導線を設計する」「ユーザーが迷わない構成を作る」ことが重要になります。
学習ツールとしておすすめなのは以下の通りです。
- Figma(無料で使えるUI設計ツール)
- Adobe XD(プロトタイプ作成に強い)
- Canva(デザインの基礎練習に最適)
YouTubeやUdemyなどのオンライン学習も活用しながら、模写や実際にWebページのデザインを作ることで、実践的な力が身についていきます。
ポートフォリオの作成方法
未経験でも、自分の作品をまとめたポートフォリオは必須です。
特に以下の要素があると評価されやすいです。
- プロジェクトごとの「課題」と「解決策」
- 使用したツールや手法の説明
- ワイヤーフレームから完成UIまでの過程
仮想プロジェクトでも構いません。「架空のアプリを設計しました」という形でも、しっかり考えて作られていれば十分に評価されます。
ポートフォリオはNotionやAdobe Portfolio、GitHub Pagesなどを活用すると簡単に公開できます。
実務経験を積む方法
実務経験を積むには、まずは「小さな実績」を増やすことが重要です。
以下の方法がおすすめです。
- ココナラやランサーズで簡単な案件に応募する
- 知人のブログや店舗のチラシをデザインする
- ボランティアや学生団体の案件を受ける
また、UXデザインを学ぶ人向けのハッカソンやグループ制作イベントに参加するのも効果的です。
ここで得た成果物も、ポートフォリオに追加できます。
転職活動のポイント
転職活動では「スキル」よりも「学ぶ姿勢」「意欲」が評価されることが多いです。
志望動機で「なぜUI/UXデザインをやりたいのか」「どういうことを学んできたか」をしっかり説明できるようにしておきましょう。
また、未経験OKの求人やポテンシャル採用を探すことが大切です。
企業によっては、職業訓練校やスクール経由の紹介枠で優遇されることもあるので、情報収集はこまめに行いましょう。
おすすめの学習リソース
独学におすすめの教材やコミュニティはこちらです。
種類 | サービス | 特徴 |
---|---|---|
オンライン講座 | Udemy、Schoo | UI/UX講座が豊富で初心者向けも充実 |
書籍 | ノンデザイナーズ・デザインブック | デザインの基本がわかりやすく学べる |
実践練習 | Figma Community、Dribbble | 実際のデザインを見ながら学べる |
コミュニティ | connpass、Slackグループ | 仲間と情報交換・イベント参加も可能 |
ブログ/SNS | note、Twitter、Zenn | 現役デザイナーの事例やコツを学べる |
UIデザイナー・UXデザイナーに有利な資格
ウェブデザイン技能検定
国家資格である「ウェブデザイン技能検定」は、デザインやコーディングの基礎知識を証明できる資格です。
3級からスタート可能で、未経験者にもおすすめです。
HTML、CSS、デザイン理論、セキュリティなど幅広い内容が出題され、実務に役立つ知識が体系的に学べます。
履歴書でアピールできるので、転職活動でも有利になります。
基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験」は、IT全般の基礎が身につく国家資格です。
デザイナーにはあまり関係ないと思われがちですが、開発現場で働く以上、ITの基本を知っているととても重宝されます。
特にUXデザイナーは、開発者やマーケターと連携する場面が多いため、用語や考え方を知っていると話がスムーズに進みます。
アドビ認定プロフェッショナル
Adobe社が提供する「アドビ認定プロフェッショナル」は、PhotoshopやIllustrator、XDなどのスキルを証明できる資格です。
実務的な内容が多く、スキルの裏付けとして非常に有効です。
合格するとAdobeから公式バッジが発行され、SNSやポートフォリオでのアピールにも使えます。
その他の関連資格
UI/UX領域では、以下のような資格も注目されています。
- Nielsen Norman GroupのUX認定資格
- UX Design Instituteのプロフェッショナルディプロマ
- Google UX Design Certificate(Coursera)
どれも実務的な内容が多く、UX設計に必要な知識を体系的に学べる内容です。
費用は高めですが、長期的なスキルアップにはおすすめです。
資格取得のメリットと活用方法
資格を取ることで「自分はここまで学んだ」という証明になります。
特に未経験者にとっては、「やる気」や「努力の証」として強い武器になります。
ただし、資格だけで仕事が決まるわけではありません。
大切なのは「どう学び、どう活かしたか」を自分の言葉で説明できることです。
ポートフォリオや面接で資格と実践経験をセットでアピールするようにしましょう。
まとめ:未経験からでもUI・UXデザイナーは目指せる!
UIデザイナー・UXデザイナーは、ユーザーが快適にサービスを使えるようにする「体験設計のプロ」です。
ただのビジュアルデザインではなく、人の気持ちを読み取り、課題を解決する「人に優しい仕事」です。
この記事では、UI/UXデザイナーの違いや仕事内容、年収、必要なスキル、資格、そして未経験からの学び方までを丁寧に紹介してきました。
特に重要なのは「スキル+考える力+伝える力」の3つ。
これらを意識して学び続ければ、たとえ未経験でも、確実にスタートラインに立てます。
今やUI/UXデザインは、IT業界だけでなく多くの企業で重要視されている分野です。
学んで損はないどころか、今後のキャリアの幅がぐっと広がります。
最初の一歩を踏み出すのは勇気がいることかもしれません。
でも、少しずつでも学びを積み重ねていけば、あなたの「やってみたい」が「できる」に変わります。
今日が、UI・UXデザインという新しい世界へ踏み出すきっかけになりますように。