「このまま、ずっと他社で働くの…?」
客先常駐として働いていた私は、そんな不安を毎日感じていました。
評価されない、相談できない、そして未来が見えない。
周りには相談できる人も少なく、モヤモヤを抱えながら働き続ける日々…。
この記事では、そんな想いを抱えたSES企業のエンジニアが客先常駐を辞め、転職に成功するまでのリアルな体験談をお届けします。
辞めたい理由から、転職活動で実際に使ったテクニック、そして転職後に感じた「やってよかった」という瞬間まで。
同じように悩んでいる方にこそ読んでほしい、等身大のストーリーです。
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客先常駐って実際どうなの?リアルな現場の実態
客先常駐とは?基本の仕組みと働き方
客先常駐とは、IT業界などでよく見られる働き方の一つで、所属する会社(自社)ではなく、クライアント企業(客先)に常駐して働くスタイルです。
多くの場合、システム開発やインフラ運用などのプロジェクト単位で派遣されます。
業務内容や働く場所はクライアントにより決まり、業務指示も基本的には客先の担当者から受けます。
表面的には派遣社員と似ていますが、正社員として雇用されているケースが多いため、雇用契約は自社との間で成立しています。
言い換えれば、「仕事の現場」と「所属している会社」が分かれている状態です。
この働き方には、さまざまなメリットとデメリットがあります。
例えば、さまざまな現場で経験を積むことでスキルアップの機会がある一方で「社内に仲間がいない」といった孤独感に悩まされることもあります。
また、客先の都合に左右されやすく、転勤や契約終了のリスクもあるのが現実です。
とくに若手エンジニアにとっては「常駐先ではなく自分の会社で認められたい」という気持ちと「キャリアの方向性が見えづらい」といった葛藤がつきまといます。
客先常駐を続けるべきか悩む人が多いのも、こうした理由が背景にあるのです。
経験者が語る「現場あるある」とストレスの正体
客先常駐の現場では、さまざまな「あるある」が存在します。
たとえば「席が毎回違う」「セキュリティの都合でインターネットが制限される」「雑談できる人がいない」など、些細なことが日々のストレスにつながります。
特に問題となりやすいのが「人間関係」。
常駐先の社員は当然ながら外部の人としてこちらを見ています。
距離感があるため相談もしにくく「自分だけ浮いている」と感じることも。
さらに、客先によっては雑用的な業務ばかりが振られる場合もあり、モチベーションを保つのが難しいと感じる人も少なくありません。
また、客先でトラブルが起きたとき、自社と客先の板挟みになることもしばしば。
責任の所在が曖昧になりがちで「なぜ自分がこんなに苦労しないといけないのか」と疑問に思う人も多いです。
これらのストレスが積み重なると、体調を崩したり、やる気が低下したりする原因になります。
「ただの現場要員」として扱われることに耐えられず、転職を考えるきっかけになることも珍しくありません。
なぜ辞めたくなる?よくある3つの悩み
客先常駐を辞めたいと感じる理由にはいくつかの共通点があります。
代表的なのは以下の3つです。
- キャリアの不透明さ
どのようなスキルが身につくのか、将来どうなるのかが見えにくいことが不安材料になります。 - 自社との関係が希薄
月に1度も自社の社員と会わない、年末調整や評価のときしか連絡が来ないなど、自分が「どこにも属していない」感覚に陥ることがあります。 - 成長実感の欠如
プロジェクトの内容によっては、単純作業や保守だけを担当させられることも。技術が古い現場に配属されると、「こんな経験が今後役に立つのか」と疑問に感じるようになります。
これらが長期間続くと「このままでいいのか?」という不安が大きくなり、転職を意識しはじめるのです。
客先常駐と正社員の違いとは?待遇やキャリアの差
「客先常駐でも正社員だよ」とよく言われますが、社内SEや自社開発企業の正社員とは働き方や待遇に明確な違いがあります。
| 項目 | 客先常駐 | 社内SE/自社開発 |
|---|---|---|
| 勤務地 | 客先 | 自社 |
| 指示系統 | 客先上司 | 自社上司 |
| キャリアパス | 不透明・現場次第 | 明確な評価制度あり |
| 教育制度 | なし〜最低限 | 社内研修・OJTあり |
| 帰属意識 | 薄くなりがち | 強く持てる |
このように、環境や成長機会に大きな差が出ることも多く「正社員なのに契約社員のような扱い」と感じてしまうのも無理はありません。
企業側のメリット・デメリットも知っておこう
実は、企業側にも客先常駐を活用するメリット・デメリットがあります。
メリット
- 案件ごとの柔軟な人材確保
- 自社で抱えるリスクの低減
- 教育コストの削減
デメリット
- 社員の定着率が下がりやすい
- モチベーションの低下による生産性悪化
- ブランドイメージへの影響
こうした背景を知っておくことで、自分が置かれている立場をより客観的に理解することができます。
そして転職を考える際にも、冷静に判断しやすくなるでしょう。
辞めたいと思った瞬間ベスト5【リアル体験談】
「毎日が憂鬱」通勤と孤独感に耐えられなかった日々
私が客先常駐を辞めたいと強く感じた最初のきっかけは、毎朝の通勤時間と職場での孤独感でした。
勤務地は都内のオフィス街で、通勤に片道1時間以上かかる現場。
しかもプロジェクトの内容や勤務先は定期的に変わるため、そのたびに通勤経路が変わるストレスがありました。
職場に着いても、そこには自社の仲間が誰もいない。
「おはようございます」と言っても、返事が返ってこない日もありました。
ランチは1人、相談相手もおらず、黙々と作業をこなす毎日。
時には客先社員に「この人どこの人?」と聞かれることもあり「自分はこの会社にとって必要なのだろうか?」と疑問を持つようになりました。
会社の帰属意識も持てず、成果を認めてくれる上司もいない。
そんな日々が続くと、次第に気力が削がれていくのを感じました。
金曜日の夕方だけが唯一の救いで「来週も同じ毎日が始まるのか…」と憂鬱になる月曜日が怖かったです。
このままでは自分の人生がただ流されて終わってしまうのではないかと感じたことが、転職を意識し始めた一番の理由でした。
客先の文化に馴染めず苦労した話
ある時、私が配属されたのは、社風が極端に堅い大手企業でした。
毎朝の朝礼、細かすぎるルール、全員がほぼ無言で作業するオフィス…。
もともとフラットな環境で働くのが好きだった私にとって、その現場は正直「息苦しい」以外のなにものでもありませんでした。
それでも業務はしっかりこなさなければなりません。
わからないことがあっても聞きづらい雰囲気があり、質問しても「それくらいわかるでしょ」と冷たく返されることも。
気を使いすぎて精神的に疲れ、毎日家に帰るとグッタリ。食事も喉を通らなくなりました。
自社の営業に相談しても、「もう少し頑張って」と言われるだけ。
常駐先の文化に合わせるしかなく、自分を押し殺すしかありませんでした。
この体験を通して、「自分が自分らしくいられる職場で働きたい」と強く思うようになりました。
文化が合わない職場で無理をするより、自分に合った環境で働くことの大切さを学びました。
自社との連携のなさが不安を招いたケース
客先常駐で働いていると、自社とのつながりが極端に薄くなることがあります。
私の場合、月に1度の業務報告メール以外、ほとんど連絡はありませんでした。
上司の顔も名前もわからず、人事評価がどうやって決まっているのかも不明。
年に一度の面談では「今どんな仕事してたっけ?」と聞かれ、正直ショックでした。
プロジェクトで成果を出しても、評価されるのは客先の担当者にすぎず、自社にはその情報がほとんど共有されません。
「誰のために働いているのか?」という感覚が次第に薄れていきました。
さらに不安だったのは、契約が終了したときの扱い。
「次の現場が見つかるまでは自宅待機」と言われ、給料の保証も曖昧でした。
「このまま契約が打ち切られたら、自分はどうなるんだろう…」と毎晩不安で眠れませんでした。
安定した雇用関係とは名ばかりで、実際にはかなり不透明な働き方だと痛感しました。
このような経験が「もっと自分の働き方をコントロールできる環境に移りたい」と考える大きな理由となりました。
成長実感が持てず将来が見えなくなったとき
キャリアに対する不安を感じ始めたのは、客先で3年以上同じような保守業務を繰り返していた時でした。
初めのうちは「安定していて楽」と感じていたものの、徐々に「このままでいいのか?」という焦りが芽生えてきました。
新しい技術に触れる機会はほとんどなく、使っているツールも数年前の古いものばかり。
周囲にロールモデルとなる人もいなかったため、どんなスキルを身につければいいのかもわかりませんでした。
ある日、同期だった友人と久しぶりに再会したときのことです。
彼はすでにクラウド技術やAI関連の案件に携わっており、楽しそうに仕事の話をしていました。
自分とのスキル差があまりにも大きくなっていることに気づき、焦りとともに「このままじゃダメだ」と強く思いました。
成長を感じられない職場で時間を浪費するより、自分の可能性を試せる環境に身を置きたい。
そう考えて転職を決意するまでに時間はかかりませんでした。
メンタル不調になって気づいた本当の理由
最後にお伝えしたいのが、私が最もつらかった時期の体験です。
長期間にわたる客先常駐生活の中で、気づかないうちにメンタルが疲弊していきました。
慢性的な睡眠不足、食欲不振、休日もずっと家で寝ているだけ。
最初は「ただ疲れているだけ」と思っていましたが、ある朝、布団からまったく起き上がれなくなりました。
病院で「適応障害」と診断され、そのとき初めて自分が限界を迎えていたことを自覚しました。
原因は「やりがいのなさ」「孤独感」「先が見えない将来」など、さまざまなストレスが複雑に絡み合っていたようです。
この経験を経て「自分の人生は自分で守らなければならない」と強く実感しました。
そして「今の環境にしがみつくことが正解ではない」と気づき、転職活動を本格的に始める決意をしました。
転職を決意したらまずやるべきこと5選
自分の本音を整理する:辞めたい理由の深掘り
転職を成功させるために、最初に絶対やっておきたいのが「自分の本音を言語化すること」です。
なんとなく「辞めたい」と感じている状態では、次のステップである「どこに行きたいか」「何をしたいか」が曖昧になり、転職先選びに失敗する原因になります。
まずは紙に書き出してみましょう。
辞めたいと感じた瞬間、嫌だったエピソード、どうしてつらかったのか。
ポイントは感情ベースで考えることです。
「通勤がつらい」「評価されない」「スキルが伸びない」など、ネガティブな感情を隠さずに出すことで、心の奥にある本当の理由が見えてきます。
次に、「逆に、どんな職場なら満足できるか?」という視点で理想の働き方も書き出します。
例えば「チームで協力し合える職場」「技術的にチャレンジできる会社」「リモートOKで通勤なし」など。
自分が求める条件が明確になることで、転職先のミスマッチを防げるのです。
この段階で「本当に転職が必要なのか?」を見直すのも大事です。
今の職場で解決できる可能性があるなら、無理に転職しなくてもいいかもしれません。
逆に、心のどこかで「このままではダメだ」と強く思っているなら、その気持ちを大切にして次のステップへ進みましょう。
スキルの棚卸しと職務経歴書の見直し
自分の経験やスキルを振り返る「棚卸し」は、転職活動においてとても重要な作業です。
特に客先常駐の場合、同じような業務でも現場ごとに環境や使っているツール、関わった工程が異なるため、思っている以上に多くのスキルが蓄積されています。
まずは、これまで関わってきたプロジェクトを時系列で書き出しましょう。
その際に、以下の項目を整理すると効果的です。
- プロジェクトの概要(業界・システムの種類など)
- 担当した業務内容(設計/開発/テストなど)
- 使用した技術やツール(言語・フレームワーク・DBなど)
- チームの規模、役割
- 成果や工夫したこと
これを元に職務経歴書を作成する際は、ただの業務経歴の羅列にならないよう注意が必要です。
「自分の強み」や「どんな価値を提供できたか」をアピールすることで、採用担当者の目に留まりやすくなります。
また、常駐経験はマイナスに感じられがちですが「どんな環境にも適応できる柔軟性」「顧客対応力」「コミュニケーション能力」など、実は強みに変えられるポイントもたくさんあります。
自分の経験をポジティブに捉え直す視点も大切です。
転職エージェントとの面談で見えてきた方向性
転職活動を本格的に始めるうえで、転職エージェントの利用は非常におすすめです。
自分では気づけなかったキャリアの可能性や、今の市場価値を客観的に知ることができるからです。
私自身、エージェントとの面談で視野が一気に広がりました。
エージェントはまず、あなたのこれまでの職歴やスキルをヒアリングし、その情報をもとに求人を紹介してくれます。
その過程で、「今の経験でどのような業界や職種にチャレンジできるのか」「どのレベルの年収が狙えるのか」がわかってきます。
また、エージェントからは「なぜ転職したいのか?」という質問を何度もされるため、自分の中で目的がより明確になります。
自分では曖昧だった辞めたい理由も、他人に話すことで具体化し、転職先に求める条件も整理されていきました。
注意点としては、エージェントの質に差があること。
複数社を併用し、自分と相性のいい担当者を見つけるのが成功のカギです。
無理に案件を勧めてくるタイプより、じっくり寄り添ってくれるエージェントを選ぶのがポイントです。
応募前に確認すべき!転職先の社風チェック
転職活動で最も重要と言っても過言ではないのが「自分に合った社風を見極めること」です。
いくら条件や仕事内容が良くても、職場の雰囲気が自分に合わなければ、また辞めたくなってしまいます。
まず確認すべきは、企業の口コミサイト(例:OpenWork、転職会議)での評判です。
実際に働いている人や退職者の声から、社内の雰囲気や残業状況、人間関係などのリアルな情報を得ることができます。
ただし、ネガティブ意見ばかりに引っ張られず、全体像を見極める姿勢が大切です。
また、面接時に社風について質問するのもおすすめです。
「御社ではチーム内のコミュニケーションはどのように取っていますか?」など、実際の業務に直結した質問をすることで、相手の答えから雰囲気を読み取れます。
可能であれば、オフィス見学ができる企業もあります。
働く空間の雰囲気や社員同士の距離感を見ることで、自分がその場所で働くイメージが湧くかどうか確認しましょう。
退職交渉と引き継ぎのコツ
転職先が決まり、退職を決意したあとは、スムーズな退職交渉と引き継ぎが非常に重要です。
最後にトラブルが起きると、今後のキャリアにも悪影響を与えかねません。
退職の伝え方は「直属の上司に、感謝の気持ちを伝えたうえで理由を簡潔に述べる」のが基本です。
転職理由をネガティブに伝えるのではなく「今後のキャリアの方向性を考えたうえで」という前向きな表現が好印象を与えます。
引き継ぎに関しては、後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、マニュアルを整備し、進捗状況や重要な連絡先、トラブル時の対処法などを丁寧にまとめておくと安心です。
特に客先常駐の場合は、客先・自社・自分の3者の調整が必要になります。
自社にも客先にも迷惑がかからないよう、退職のタイミングや引き継ぎ期間をしっかり話し合いましょう。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉のとおり、最後まで誠実な対応をすることで、自分自身の評価も高く保たれます。
転職活動中に役立ったリアルなテクニック集
面接で聞かれた質問とその答え方
転職面接では、客先常駐経験者ならではの質問が多く飛んできます。
実際に私が経験した質問と、それにどう答えたかをシェアします。
まずよく聞かれるのが「なぜ転職を考えたのですか?」という質問です。
ここで気をつけたいのは、愚痴っぽくならないこと。
私は「客先常駐の働き方で得られた経験は大きかったですが、今後はより中長期的にプロジェクトに関わり、技術力を深められる環境で働きたいと考えています」と答えました。
次に、「どんなスキルを持っていますか?」という質問。
ここでは、ただツール名や言語名を並べるのではなく「どのような場面で、どう活かしたか」を具体的に伝えることが大切です。
たとえば「Linuxサーバー構築の際、顧客からの要望に応じて設定ファイルを柔軟に調整し、障害対応を即時に行いました」といった具合です。
また、「チームでの役割」や「自分の強み」を聞かれることもあります。
私は「常に相手の立場を考えて動くことを意識しており、現場でも信頼されやすいタイプです」と、自分のコミュニケーション力を強調しました。
面接は、あなたという「人間」を見せる場でもあります。
素直に、前向きな姿勢をもって臨むことが、最大のテクニックです。
客先常駐経験をどうポジティブに伝えるか
客先常駐経験を面接でどう伝えるかは、非常に重要なポイントです。
一見ネガティブに捉えられがちですが、見方を変えれば大きな強みになります。
私が意識していたのは「適応力」と「対人スキル」を強調することです。
たとえば「複数の企業文化に触れ、多様な人と円滑にコミュニケーションを取る力が身についた」「変化の多い環境でも迅速に対応する柔軟性がある」といった表現を使いました。
また「現場ごとの課題を解決する中で、課題発見力や提案力が磨かれた」と話すことで、ただの受け身ではなかったことを伝えられます。
大切なのは、事実をポジティブに変換する力。
たとえば「担当工程が限られていた」という経験も「限られた範囲でも最大の成果を出す意識を持って取り組んできた」と言えば、信頼性や誠実さをアピールできます。
ネガティブな出来事でも「そこから何を学び、どう成長したか」を話せば、必ず評価につながります。
書類通過率アップ!効果的な志望動機の書き方
履歴書や職務経歴書で最も重要なのが「志望動機」です。
ここが曖昧だったり、使い回し感が出ていたりすると、高確率で書類選考に落ちます。
まず、志望動機を書く際には「その企業でなければならない理由」を明確にしましょう。
私は応募先の企業HPやブログ、採用ページなどを読み込み、企業理念や開発体制、働き方に共感できる部分をピックアップしました。
次に、それを自分の経験と結びつけて書きます。
たとえば「客先常駐での経験を活かし、貴社のように一体感のあるチームでより深く開発に関わりたい」と具体的に記述。
テンプレート的な内容ではなく、自分の言葉で書くことが大切です。
さらに「今後どう成長していきたいか」も盛り込むと、採用担当者に好印象を与えられます。
「クラウドやセキュリティ技術にも挑戦し、貴社に貢献できる人材になりたい」といった目標を明示しましょう。
志望動機は、相手に「この人と一緒に働きたい」と思わせるラブレターのようなもの。
時間をかけて丁寧に書くことが、書類通過率アップへの近道です。
内定が出るまでの平均期間と対策
転職活動にかかる期間は人によって差がありますが、平均して2〜3ヶ月はかかると言われています。
特に客先常駐からの転職は、職務経歴の整理や志望動機の明確化に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
私自身は、エージェントに登録してから内定をもらうまで約2ヶ月半かかりました。
最初の1週間は情報収集と自己分析に充て、その後2週間で書類作成、1ヶ月間で応募と面接を繰り返しました。
この期間、モチベーションを保つのが意外と大変です。
落ち込んだり、焦ったりすることもあるでしょう。
そんなときは「1日1社だけ応募する」「面接がなくても自己分析の時間に充てる」といったように、無理のないスケジュールを作ることが大切です。
また、企業とのやり取りが多くなるため、メールの返信は迅速に。
面接日程の調整がスムーズにできるよう、スケジュールアプリで管理するのもおすすめです。
焦らず、着実に。転職活動はマラソンのようなものです。
実際に転職して感じた「理想と現実」
転職してみて初めてわかることもたくさんあります。
私は、常駐から自社開発企業への転職を果たしましたが「良い面」と「思っていたのと違う面」の両方がありました。
まず良かったのは「チームで同じ方向を向いて働ける」こと。
客先時代は孤独感が強かったですが、今の職場では日々の会話やフィードバックがあり、信頼関係を築ける安心感があります。
一方で「社内政治」や「決定の遅さ」といった、今まで気づかなかった課題もありました。
自社だからこその意思決定プロセスや責任の重さがのしかかる場面もあります。
ただ、それでも「自分の仕事が会社の成長につながっている」という実感は大きなやりがいです。
理想通りではない部分もありますが、前職での経験があったからこそ今の環境の価値に気づけました。
転職は、全てが完璧になる魔法ではありません。
でも、確実に「自分で選んだ人生を歩んでいる」という実感を得ることができました。
客先常駐を辞めてよかったと実感する瞬間
正社員として迎えられる安心感
転職して最初に感じたのは「本当にこの会社の一員なんだ」という安心感でした。
客先常駐のときは、自分がどこに所属しているのかあいまいな感覚が常にあり、まるで“借り物”のような気分でした。
しかし今は、同じオフィスで同じメンバーと働き、同じ会社の目標に向かって進んでいるという一体感があります。
例えば、会社の朝礼や定例会議に普通に参加し、自分の意見が求められる。
当たり前のことかもしれませんが、以前はこういった機会すらなかったので、とても新鮮に感じました。
また、人事評価もちゃんと自分の上司が見てくれるので「見えないところで頑張っても無意味」と感じていた過去の不満がなくなりました。
会社の方針や将来像について説明があるのも心強く、自分が今後どう成長していくべきか、どんなキャリアパスがあるのかを把握できる点も大きな違いです。
「この会社でやっていく」という気持ちを持てるようになったことが、精神的な安定につながっています。
スキルアップできる環境との出会い
新しい職場に転職してから、技術面での刺激が格段に増えました。
客先常駐のころは保守的な業務や古いシステムが多く「この技術、あと何年通用するんだろう」と不安になることもありました。
しかし今では、最新の技術を積極的に取り入れている現場で働くことができ、自分の成長を日々実感しています。
私が転職した先では、社内勉強会や外部セミナーへの参加も推奨されており、自主的に学ぶ姿勢が評価される文化があります。
わからないことがあれば先輩に気軽に相談できるし、社内のナレッジも充実しているので、学びのスピードが格段に速くなりました。
また、定期的に1on1ミーティングがあり、自分のスキルやキャリアについてフィードバックがもらえるのもありがたいポイントです。
こうした環境に身を置けることで「将来に希望が持てるようになった」と心から思えるようになりました。
チームに一体感がある働き方の魅力
客先常駐では「チームに入れてもらえない」「蚊帳の外感がある」と感じることがよくありました。
しかし今は、自社の仲間と本当の意味で“チーム”として仕事ができている実感があります。
例えば、プロジェクトのキックオフから関われるので、目的や背景をしっかり理解したうえで業務に取り組めますし、メンバーとタスクを共有し、互いに助け合いながら進められます。
ミスがあっても誰かがフォローしてくれる安心感があり、孤独感とは無縁です。
定例のMTGでは、進捗や課題を率直に共有し合える雰囲気があり「1人で抱え込まない文化」が根付いているのも大きな違いでした。
チームで成果を出すことが評価されるので「誰が目立ったか」より「みんなでうまく進められたか」が重視されます。
人間関係のストレスが大幅に減ったことで、毎日が楽しく、前向きに仕事と向き合えるようになりました。
働くモチベーションが変わった理由
以前は「働かされている」感覚が強く、毎日がただのルーチンワークでした。
しかし転職してからは「自分のために働いている」「会社に貢献できている」と実感できるようになり、モチベーションが大きく変わりました。
特に大きかったのは、業務の「目的」が明確になったこと。
客先常駐のときは「とにかく作業をこなす」ことが求められ、その背景や意義を知らされないまま動くことがほとんどでした。
今では「なぜこの機能が必要なのか」「誰のために作っているのか」がはっきりしているので、自然とやる気が湧いてきます。
また、成果に対してフィードバックをもらえる機会も多く、上司や同僚から「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえることで、自己肯定感も上がりました。
「今日は何をどう工夫しよう?」と前向きに考えられるようになったのは、自分が本当に納得できる環境に身を置けたからだと感じています。
客先常駐時代があったからこそ今がある
最後に伝えたいのは、客先常駐の経験も「ムダではなかった」ということです。
転職してからそのことに気づきました。
常駐時代は多くの現場で仕事をしてきたため、さまざまな業務スタイルや文化に触れることができました。
そのおかげで、今の会社に入ってからも、すぐに新しいチームに馴染むことができましたし、柔軟な対応力や気配りは「前職で鍛えられたスキル」だと実感しています。
また「あの時はこうだったからこそ、今の環境がありがたい」と比較できるようになったのも、過去の経験があってこそです。
転職した今でも、常駐時代の人脈が生きている場面もあります。
「あの時の苦労があったからこそ、今の自分がある」と素直に思えるようになったとき、自分のキャリアに対する誇りが持てるようになりました。
まとめ
客先常駐という働き方には、現場ごとにスキルを磨けるという利点がある一方で「孤独感」「成長の限界」「将来の不安」といった問題も少なくありません。
実際にその働き方に疑問を感じ、転職を決意した体験からわかったのは「自分の働き方を自分で選ぶことの大切さ」でした。
転職には不安がつきものですが、自分の本音を見つめ直し、スキルを棚卸しし、正しい方法で準備すれば、きっと自分に合った職場に出会えます。
そして転職後には、信頼できる仲間と協力し合える環境、キャリアに希望を持てる日々が待っています。
客先常駐を辞めたいと思っている方へ。
この体験談が、あなたの一歩を後押しできたなら幸いです。
