情報漏えいやサイバー攻撃のリスクが高まる今、企業や組織に求められるのが「セキュリティ意識の高い人材」。
そんな時代のニーズに応えるのが「情報セキュリティマネジメント試験」です。
IT企業では新卒1年目で受験させられる資格なので、エンジニア転職を目指す未経験者やIT企業内定者はぜひ合格しておきたいですね。
この記事では、2025年最新の試験日程や合格率、勉強法、参考書情報まで徹底的に解説しています。
「合格して仕事に役立てたい」「履歴書に自信を持って書きたい」そんなあなたのための完全ガイドです!
情報セキュリティマネジメント試験とは?
試験の概要と目的
情報セキュリティマネジメント試験(SG試験)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験のひとつで、企業や組織で情報セキュリティを管理・運用する立場の人材を対象としています。
セキュリティ対策の重要性が高まる中、基本的なセキュリティ知識や運用スキルが求められる時代にぴったりの資格です。
技術的な知識よりも、ポリシー策定やインシデント対応など、マネジメントの視点からセキュリティに取り組む力を問われます。
国家資格であるため、信頼性が高く、転職や社内評価の向上にも有利です。
特に非IT系の職種や総務、人事、経理などの部門でも「最低限のITリテラシー」として評価されることが増えています。
試験の対象者と受験資格
この試験には年齢や職業、学歴などの制限は一切なく、誰でも受験することができます。
IT業界で働いていない人や学生でも受験が可能で、実際に毎年多くの文系学生や一般社会人が受験しています。
対象者として想定されているのは、企業内での情報セキュリティ運用を任されている人や、セキュリティポリシーの策定や見直しに関わっている人、または今後そのような業務に携わりたいと考えている人です。
最新シラバスはVer.4.1!シラバスVer.4.0の終了タイミングはいつ?
シラバスVer.4.0が適用された期間
シラバスVer.4.0は、2023年4月1日から施行されたバージョンで、情報セキュリティマネジメント試験(SG)の内容に大きな影響を与えました。
このシラバスでは、クラウドやゼロトラストといった現代的なセキュリティ技術を出題範囲に取り入れた点が特徴でした。
CBT方式への移行もあり、年2回の統一試験から常時受験可能な体制に変わったことで、多くの受験者がより柔軟に試験を受けることができるようになりました。
シラバスVer.4.0最終適用試験の日時
シラバスVer.4.0は、2025年3月31日までに実施された試験までが対象でした。
つまり、2025年3月31日以前に受験した場合はVer.4.0での出題となり、それ以降はVer.4.1の内容に切り替わっています。
これは公式にIPA(情報処理推進機構)より発表されており、受験者にとっては非常に重要な情報です。
Ver.4.0とVer.4.1の移行背景
Ver.4.0からVer.4.1への移行は、急速に変化する技術と法制度に対応するためです。
特に、AIや生成AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの新たなトピックが社会に浸透している今、これらの要素をカバーする必要がありました。
法制度も更新され、「プロバイダ責任制限法」の削除、「情報流通プラットフォーム対処法」の追加などが行われています。
受験者が注意すべきポイント
受験者にとって重要なのは、「自分がどのバージョンのシラバスで勉強しているか」をしっかり確認することです。
2025年4月以降に試験を受けるなら、必ずVer.4.1対応の教材で学習しましょう。
過去の問題集や古い参考書では、内容が一致しない可能性があります。
IPAの公式サイトで最新シラバス(PDF)を確認するのも忘れずに。
試験の構成と出題範囲
区分 | 科目A(知識) | 科目B(実践・応用) |
---|---|---|
出題範囲 | セキュリティの基礎知識や法制度、標準・指針などを中心に、広範な知識を問う内容。 - 情報セキュリティの基本原則(CIA:機密性・完全性・可用性、責任追跡性、真正性、否認防止など) - 情報資産管理(資産の識別・分類・取り扱い) - 脅威と脆弱性(マルウェア、標的型攻撃、内部不正など) - セキュリティ対策技術(暗号化、認証、多要素認証、アクセス制御、ログ管理、バックアップなど) - 法制度・ガイドライン(個人情報保護法、サイバーセキュリティ基本法、不正アクセス禁止法、JIS Q 27001、ISMSなど) | 実践的な判断や応用力を問う出題。ケーススタディやシナリオ形式の問題も含まれる。 - セキュリティポリシーの策定と運用(基本方針、対策基準、実施手順) - リスクアセスメントとリスク対応(リスクの特定・評価・対応策選定) - インシデント対応(検知、報告、分析、対応、再発防止) - セキュリティ監査・評価(監査の手順、評価基準、内部統制との関係) - セキュリティ教育・啓発(従業員教育、意識向上、内部通報制度など) - DX・生成AI関連の新技術対応(リスクの洗い出し、クラウド管理、AI活用のセキュリティ考慮) |
出題形式 | 四肢択一式 | 多肢選択式 |
設問数 | 48問 | 12問 |
試験時間 | 全体で120分(科目A+B合わせて) | 全体で120分(科目A+B合わせて) |
合格点 | 総合評価600点以上(1000点満点中) | 総合評価600点以上(1000点満点中) |
試験の実施方式と日程
2023年度からはCBT方式の導入により、試験は通年実施されるようになりました。
CBT方式は、コンピュータを使って会場で受験する形式で、ペーパーテストとは異なり、画面上で問題を解いていきます。
予約制で全国の試験センターで受験できるため、自分の都合に合わせてスケジュールを組めるのが最大のメリットです。
つまり、春や秋を待つ必要はなく、自分の準備が整った時点で予約すれば受験可能です。
試験日は基本的に平日が中心ですが、会場によっては土日も対応しています。
早めに予約すれば希望の日時・会場を確保しやすくなります。
受験当日は、本人確認書類の提示が必要なので、運転免許証などの準備も忘れずに。
試験の申し込み方法と受験料
申し込みはIPAの指定サイト(プロメトリック)からインターネット経由で行います。
顔写真付き身分証明書が必要です。
- 受験料:7,500円(税込)
- 支払い方法:クレジットカード、コンビニ払い、Pay-easyなど対応
申し込み完了後、確認メールが届きますので、試験日当日までに確認・印刷しておくと安心です。
試験の難易度と合格率
難易度の評価と試験の特徴
情報セキュリティマネジメント試験は「基本情報技術者試験」よりも易しめとされ、IT初心者にも取り組みやすいレベルの資格です。
ただし、内容は実務に直結しており、単なる暗記ではなく、状況判断やリスク分析などの理解が問われるため、しっかりとした準備は必要です。
午後試験ではシナリオ問題が出題され、正確な読解力と論理的思考が求められます。
ITに苦手意識のある人でも、対策すれば十分に合格を目指せます。
合格率の推移と傾向
情報セキュリティマネジメント試験が開始された平成28年春期は88.0%と非常に高い合格率でしたが、その後の合格率は50%前後で推移しました。
CBT方式に移行してからは令和5年度72.6%、令和6年度69.1%となっています。
合格率から見ても、しっかり準備すれば確実に合格を狙える試験と言えるでしょう。
合格に必要な勉強時間
IT初学者(文系・未経験)の場合、一般的に約180〜200時間程度の学習時間が合格ラインと言われています。
1日1.5〜2時間 × 3ヶ月を目安にすると、200時間に到達しやすく計画的です。
IT業界経験者の場合は約50〜100時間勉強すれば合格に近づきます。
合格者の平均年齢と背景
合格者の年齢層は幅広く、20代から50代までまんべんなく分布しています。
職種もIT以外の事務系、公務員、営業職など多岐にわたっており、「IT初心者の登竜門」として人気があることがわかります。
合格のためのポイントと対策
- 科目A対策:過去問の反復学習が鍵。暗記より理解重視。
- 科目B対策:読解力と問題慣れが必要。演習を多くこなす。
- 模試受験:本番と同じ時間で解く練習をする。
- 毎日学習:少しずつでも継続が効果的。
- 苦手克服:苦手分野を分析し、集中的に復習。
次の章では、具体的な勉強法について詳しく紹介します。
効果的な勉強法と学習計画
学習の進め方とスケジュール
情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、効率的な学習計画を立てることがとても重要です。
まずは「試験日」から逆算して、1週間単位でスケジュールを立てていきましょう。
おすすめは、全体を3つのフェーズに分ける方法です。
- フェーズ1(導入期):試験範囲の全体像をざっくりと把握。公式テキストや入門書を1冊読み通します。
- フェーズ2(実践期):過去問・問題集を使って反復練習。
- フェーズ3(直前期):間違えた問題を復習し、弱点補強。模擬試験で実戦力をチェックしましょう。
この3フェーズを目安に、スケジューリングするのが効果的です。
無理のない範囲で、1日1〜2時間の学習を継続することが成功のカギです。
おすすめの勉強法と学習ツール
学習法は「インプット」と「アウトプット」のバランスが大切です。
特に情報セキュリティの用語や制度は、初めて聞くものも多いため、以下の学習スタイルがおすすめです。
- インプット:参考書や動画講義を使って知識を吸収
- アウトプット:過去問・問題集で確認しながら知識を定着
スマホアプリやYouTubeの講座などを活用すれば、スキマ時間の学習も可能です。
おすすめは「情報セキュリティマネジメント試験過去問道場」などです。
過去問の活用方法と注意点
過去問は、最も重要な教材のひとつです。
午前問題は過去問を繰り返すことで高得点が狙えます。
出題傾向が似ているため、少なくとも過去3〜5回分を何度も解き直しましょう。
午後問題は読解が難しく感じられる場合があるので、最初は時間をかけて丁寧に読み進め、設問の意図を正確に把握することが大切です。
解答だけでなく、解説を熟読して理解することが得点アップの秘訣です。
模擬試験の活用と効果
本番の緊張感を再現するために、模擬試験は1〜2回は必ず実施しましょう。
以下の点をチェックしながら取り組むと効果的です。
- 時間配分の練習:科目A・科目Bそれぞれの制限時間内で解けるか確認。
- 弱点の発見:間違えた問題から自分の理解が不十分な分野を見つける。
- 本番形式への慣れ:パソコン操作に慣れておく。
プロメトリック提供の体験版や、出版社が提供している模試付きの書籍を活用すると、より実践的な準備が可能です。
モチベーションの維持と管理
長期間の学習では、モチベーションを維持することが意外と難しいものです。
以下のような工夫を取り入れることで、やる気をキープできます。
- 学習記録をつける:ノートやアプリで学習内容と時間を記録する。
- ご褒美制度:週の目標を達成したら好きなスイーツや映画を楽しむ。
- SNSで報告:X(旧Twitter)や勉強垢で学習進捗を発信する。
自分のペースで楽しく学べる工夫が、合格への近道です。
おすすめの参考書と問題集
初心者向けの参考書
情報セキュリティに不慣れな方や、IT系の試験が初めての方におすすめなのが「キタミ式イラストIT塾 情報セキュリティマネジメント 令和07年」。
やさしい言葉で書かれており、図やイラストも多く、読みやすいのが特徴です。
- 『情報処理教科書 出るとこだけ!情報セキュリティマネジメント[科目A][科目B]2025年版』(翔泳社)
- 『徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 令和7年度 徹底攻略シリーズ』(インプレス)
- 『令和07年 情報セキュリティマネジメント 合格教本 情報処理技術者試験』(技術評論社)
基礎から体系的に学べる構成になっているので、まず1冊通して読むだけでも理解がぐっと深まります。
実践的な問題集の選び方
過去問だけでなく、最新傾向に対応した「模擬問題集」も取り入れるのが効果的です。
選ぶ際は以下のポイントをチェックしましょう。
- 最新の試験範囲に対応しているか
- 解説が丁寧でわかりやすいか
おすすめは『徹底攻略 情報セキュリティマネジメント予想問題集』です。
公式問題2回分と模擬試験問題3回分とあわせ、本試験形式の演習が5回分できます。
『令和07年 情報セキュリティマネジメント パーフェクトラーニング過去問題集』は過去問などをもとにした模擬試験問題3セット+150問の演習トレーニングができる問題集で、解けば解くだけ合格につながります。
オンライン教材とアプリの活用
最近では、スマホで学べる便利な教材も増えています。
以下は利用者も多く、実績のあるものです。
- 情報セキュリティマネジメント試験過去問道場
- スタディング
- Udemy
スキマ時間を活用して学習したい方には特におすすめです。
購入時の注意点と選び方
書店やネットで購入する際には、最新版のシラバスに対応していることを必ず確認してください。
古い版だと出題範囲や法律の改定に対応していない可能性があります。
また、レビューを確認し、自分のレベルに合った難易度かどうかを事前に見極めましょう。
試験当日の注意点と合格後の活用法
試験当日の持ち物と注意事項
CBT試験では、筆記用具などは不要ですが、身分証明書(顔写真付き)の提示が必須です。
忘れた場合、受験できないので注意しましょう。
【持ち物チェックリスト】
- 顔写真付きの本人確認書類(免許証、マイナンバーカードなど)
- 受験票(メール確認画面でも可)
- マスク(必要に応じて)
服装はリラックスできるものがおすすめ。
試験会場は冷暖房が効いている場合もあるので、温度調整できる服装がベターです。
試験会場での過ごし方
試験開始30分前には到着し、トイレや水分補給を済ませておきましょう。
会場では私語禁止、スマホもロッカーに預けます。
試験中はメモ用紙が1枚配布され、問題の整理などに利用できます。
特に午後問題では、メモに時系列や関係者の動きを書き出すと整理しやすくなります。
合格後の証明書と活用方法
合格者には、IPAから合格証書が送付されます。
PDF形式でもダウンロード可能なので、履歴書への記載や転職活動で活用できます。
また、社内のセキュリティ担当や情報管理者としての信頼度が上がるため、評価や昇進にも好影響を与える可能性があります。
資格の活用事例とメリット
- 就職・転職:特に未経験からIT業界に入りたい方には強力なアピール材料。
- 社内評価:セキュリティ教育の担当、情報管理のリーダー役に抜擢されやすい。
- 他資格へのステップ:基本情報技術者や応用情報技術者への足がかりにも。
次のステップへの展望と目標設定
情報セキュリティマネジメント試験に合格したら、次は「基本情報技術者」や「応用情報技術者」など、より専門的な資格にチャレンジするのもおすすめです。
また、セキュリティ分野でのキャリアを目指すなら「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」も視野に入れていきましょう。
まとめ
情報セキュリティマネジメント試験は、IT初心者でも挑戦しやすい国家資格です。
特にCBT方式の導入により、受験のハードルが大きく下がりました。
最新の参考書やアプリを活用し、過去問中心の学習を行えば、短期間でも合格が十分可能です。
この試験に合格すれば、キャリアアップや転職に有利になるだけでなく、情報セキュリティの基本的な知識を持つことで、日常生活や職場でのリスク回避にも役立ちます。
今こそ、学びをスタートする絶好のタイミングです。